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2023.04.26

【勇気をもって踏み出してほしい】20歳、Cさんの白内障手術体験記

20歳という若さでの、白内障手術の経験をもつCさん(28歳:男性)。Cさんが白内障の診断を受け、実際にどのような思いや経緯で手術を決意するに至ったのか、インタビューの機会を設けてもらった。

※以下、「(太字)」 はCさん発言

【白内障とは?】

カメラの「レンズ」に相当する、目の中でピント合わせの役割を担う「水晶体」。

水晶体に何らかの原因で濁りが生じ、まぶしさや目のかすみなどの症状を起こす病が白内障だ。

白内障の推定年間疾患者数は日本国内だけでも約4,000万人にのぼる。

加齢(老化)による症状の発現が主と言われており、70代では8割に症状が見られると推定されている。

【白内障の診断を受けた日】

現在28歳のCさんが白内障の診断を受けたのは、9歳ごろだった。

「あるときから、外遊びのとき太陽がまぶしくて見られないようになってきたんです。」

白内障により水晶体の濁りが引き起こされると、目の中に入った光が水晶体の中で乱反射を起こしてしまい、まぶしさを感じやすい。

「最初はそういものなのかな?と思っていたんですが、他の子よりもまぶしさが気になるシーンが明らかに多いと感じていて。例えば、集合写真をとるときのフラッシュとか。高確率で目を閉じてしまっていたんですよね。そのことで当時はあまり気にしていなかったですが、『メパチ』とか言われて、バカにされることはありました。振り返ってみて、差別的なことばをかけられていたのだと思います。」

「それでまぶしさが気になることを親に相談したら眼科に行くことになりました。診断は、まさかの『先天性白内障』でした。生まれつきの先天性なのか、何らかの要因で若くしてなる若年性なのかは、最終的な判断として特定ができないみたいなんです。例えばサッカーボールが目にあたるみたいな、外部刺激として原因になりうるみたいです。なんですけど・・・『先天性』の診断を受けて、母親は自分を責めるように泣いていました。それをみたときが一番しんどかったですね。自分のせいでないているのかもしれないって思って。」

こどもの視力の成長が、何らかの要因で妨げられて起きる「弱視」でも似たような親御さんの悲しみの声はたびたび目にするところでもある。「一番近くにいるのに、なぜ気づけなかったのだろう」「私のせいかもしれない」と、親御さんが自らを責めてしまうのだ。

「診断をしてくれた主治医からは今スグ手術するのではなく、人間の目のピント合わせの機能はすごいから、まぶしさに耐えられるうちは手術はしないほうがいいこともあると勧められました。なので手術をせずにしばらく過ごすことになりました。」

※白内障術後の眼内レンズの種類、みえ方についての記事は以下より

https://www.cataract-iol.jp/lens/type/

【手術を決意、きっかけとオペ体験記】

そんなCさんが白内障手術を受ける決断をしたのは、20歳のときだった。

「大学では合唱サークルに所属をしていました。そのサークルでの1年の集大成、定期演奏会のステージにいざ乗ろうと思ったら、照明がまぶしすぎて耐えられなかったんですよ。それが理由でステージにのることを断念しまして。自分の好きな合唱に支障がでたので、これはイカンと思って手術を受ける決意しました。」

白内障の手術は国内でも最も執刀数が多いオペとも言われているがオペは怖くなかったのだろうか。素朴な疑問を投げかけてみた。

「その当時は調べても、あんまり情報がなかったので。当然目にメスを入れるので、恐怖心はありました。」

「手術も部分麻酔で実施されるので、不思議な感覚でした。にごった水晶体をくだいて吸い出して眼内レンズをいれるところまで全部見えているんです。万華鏡を見ているような感じで、きれいでしたよ。」  

恐怖心をいだきながら望んだ手術を乗り越え、その後のみえ方はどうだったのだろうか。

「手術後はまぶしさがなくて快適です。合唱のステージももちろん問題なくのれます。僕の眼内レンズは多焦点レンズなのですが、焦点距離こそ決まっているもののみえ方には慣れてしまえば不満がないです。

【勇気をもって、踏みだしてほしい】

今回、手術を受けまぶしさのない快適な視生活を得ることとなったCさん。最後にインタビューを受けてくださった理由をこう語った。

「若年で白内障のオペって、なかなかできない経験をさせてもらいました。さっきもお伝えしたように、白内障手術の体験記で僕のように若年で受けたって記事はなかったので。同じような境遇を迎える人に、『大丈夫だよ』って少しでも思ってもらえたら嬉しいです。

貴重な体験を語ってくれたCさん。感謝の気持でいっぱいです。ありがとうございました。


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